投資信託には、似たような名前でもコストが大きく異なる商品が存在します。
それが、eMAXISとeMAXIS slimシリーズです。
投資するなら、手数料が安いに越してことはありません。
しかし、コストの違いや人気の度合いを知らなければ、そもそも選択すら出来ません。
そこで今回は、両商品のコストがどれほど異なるのか?
コストの違いが、長期資産運用にどのような影響を及ぼすのか?
このような疑問をについて、解説していきます。
eMAXISシリーズの概要
国内のみならず、新興国も含めた海外の多様な資産を取り揃えています。
長期投資のための国際分散投資やご自身のニーズにあったポートフォリオ構築、バランスファンドによるメンテナンスフリーの資産運用など、投資スタイルに合わせた選択が可能です。
eMAXISシリーズのラインナップ
国内外のラインナップは以下の通りです。
国内
日経225、TOPIX、JPX日経400、JAPANクオリティ150、国内債券、国内物価連動国債、国内リート
海外
NYダウ、S&P500、NASDAQ100、先進国株式、新興国株式、全世界株式、先進国債券、新興国債券、豪州債券、先進国リート、新興国リート
その他にも、バランス資産型など、豊富なラインナップがあります。
eMAXIS slimシリーズの概要
とことんコストにこだわった資産形成ツール。
ラインナップはeMAXISシリーズよりも少なめです。
しかし、 eMAXIS slimシリーズ の魅力は圧倒的な低コスト。
他社が信託報酬を引き下げれば、それに追従し低コストを維持します。
まさに、とことんコストにこだわっていますね。
eMAXIS slimシリーズのラインナップ
国内
日経平均、TOPIX、国内債券、国内リート
海外
S&P500、先進国株式、新興国株式、全世界株式、先進国債券、先進国リート
ラインアップは少なめですが、分散投資には十分な投資対象です。
欲をいえば、NASDAQ100などに投資できる商品が増えれば嬉しいですね。
コストはどれほど異なるか
それではコストのどれほど違いがあるのか、投資対象別にみていきましょう。
投資対象は、S&P500、全世界株式、先進国株式で比較します。
ノーロードである点は共通しているので、比較するのは信託報酬です。
ノーロードとは、購入時手数料が無料ということです。
S&P500
- eMAXISシリーズ :年率0.330%(税抜 年率0.300%)以内
- eMAXIS slimシリーズ :年率0.0968%(税抜 年率0.0880%)以内
シリーズの中では最も低コストな商品です。
slimシリーズに関しては実質コストを含むと0.1%台となりますが、それでも他を圧倒する安さです。
全世界株式(オールカントリー)
- eMAXISシリーズ :年率0.66%(税抜 年率0.6%)以内
- eMAXIS slimシリーズ :年率0.1144%(税抜 年率0.104%)以内
全世界株式には、オールカントリーや除く日本など、複数のラインナップがあります。
コストに関しては大きく変わりませんので、ここでは割愛します。
先進国株式
- eMAXISシリーズ :年率0.66%(税抜 年率0.6%)以内
- eMAXIS slimシリーズ :年率0.1023%(税抜 年率0.093%)以内
オールカントリーとほぼ同様です。
純資産総額の違いは?
S&P500
- eMAXISシリーズ :20.13億円
- eMAXIS slimシリーズ :6,972.93億円
純資産総額の大きさでは、slimシリーズにおいては他のラインナップよりも人気の高さが伺えます。
slimシリーズは圧倒的人気ですね。
全世界株式(オールカントリー)
- eMAXISシリーズ :159.93億円
- eMAXIS slimシリーズ :3,081.50億円
全世界株式もS&P500同様に、人気の違いが歴然です。
先進国株式
- eMAXISシリーズ :526.95億円
- eMAXIS slimシリーズ :2,605.57億円
先進国株式については、eMAXISシリーズ でも526.95億円と、そこそこの人気があります。
純資産総額だけで言えば、S&P500、オールカントリー、先進国株式の順に人気があると言えます。
コストの違いが長期運用に及ぼす影響
投資金額100万円だったとします。
オールカントリーを例にざっくり計算すると、
- eMAXISシリーズ :年間6600円
- eMAXIS slimシリーズ :年間1144円
コストの差額としては、年間約5500円となりました。
そして、積立期間や投資額が増えるほど、コストは増え続けます。
NISAで5年間運用し、500万円まで投資したとします。
すると、5年間で運用期間中にかかる費用は、
- eMAXISシリーズ :5年間で99000円
- eMAXIS slimシリーズ :5年間で17160円
なんとその差は、5年間で約81840円です。
同じ投資対象でも、数年でここまで差が出でます。
いかにコストを抑えることが大切か、実感しますね。
必ずSlimが付いていることを確認!
このように、長期で積み立てしていくと、コストの差が歴然です。
どちらのシリーズも、購入時手数料かつ信託財産留保額がないのは良い点です。
しかし、運用管理費用である、信託報酬にここまで差があると、slimシリーズを選ばない時点で損が確定してしまいます。
他の商品にも言えることですが、基準価格が右肩上がりかだけでなく、コスト的にお得かどうかは必ず確認しましょう。
少しでもお得な運用を目指しましょう。
まとめ
- eMAXIS slimシリーズは圧倒的な低コスト
- ラインナップは eMAXISシリーズのほうが多い
- 純資産総額もslimシリーズが上回る
- 長期で保有するほど、低コストのありがたみが分かる
本記事のまとめは以上となります。
ひと昔前と比べ、投資対象やコスト面からみても良い投資信託が増えつつあります。
ですが、中には購入すべきではない投資信託もあるのが現状です。
よって、コスト比較や人気かどうかの判断で、見分け方の参考となれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
コメント