分配金で不労所得を得ようと考える方は少なくありません。
資産運用において、商品の選択肢は多岐にわたります。
しかし、手を出すべきではない商品も、その選択肢には含まれているのです。
今回は、毎月分配型ファンドとも呼ばれる商品をおすすめしない理由を説明します。
まず、この商品の特徴は
- 分配金が毎月支払われる投資信託
- はじめて金融商品投資をする人に勧められる場合が多い
- 毎月一定のお金が入るためシニア層に人気
ざっくり言うとこんな感じです。
ざっくりとした特徴だけみると、別に悪い商品では無いのでは?
と感じるかもしれませんが、さらに詳しく紹介していきます。
毎月分配型投資信託をおすすめしない理由
おすすめしない理由としては、以下が挙げられます。
- 分配をすれば基準価格は下がる
- 分配金は自分が払い込んだお金(特別分配金)ということもある
- 分配後の再投資では複利効果が低減する
- 単純にコストが高い
以上を踏まえて、それぞれをもう少し詳しく解説していきます。
毎月分配はお得ではない?
投資経験が無い方が、金融機関から最初に勧められることが多い代表例が毎月分配型投資信託です。
その名の通り、毎月分配金が支給されるため、自分年金としてシニア層に人気があるそうです。
しかし、資産運用の観点で見れば、この商品の気になる点がいくつか浮かび上がります。
分配金には普通分配金と特別分配金の2種類があります。
普通分配金は運用益を原資としたもので課税されますが、特別分配金は課税されません。
これだけ聞くと特別分配金はいいもののように聞こえますが、実は自分が支払った元本を切り崩して分配されているだけなのです。
特別分配金=特別なご褒美 では無いことに注意が必要です。
実際に自分が払ったお金がそのまま戻るだけなので、課税されないのは当然です。
しかも、分配金を多くするために、ハイリスク・ハイリターンを狙う運用が多く、上手く運用されていない場合に特別分配金として払い戻されることが多いようです。
分配金が多いほど運用成績が良い投資信託とは限らず、むしろ売却可能な基準価格が下がるのでお得とは言えません。
分配金を再投資すると複利効果が少なくなる
現在お金が必要ならば、分配金を得るという選択肢もありです。
しかし、将来に備えるお金を増やしたいのであれば複利の効果は見過ごせません。
運用益が分配されると、分配金に課税されます。
一方、そのまま再投資することで長期的にみれば複利の効果で資産は加速します。
わざわざ、税金を早く払って複利の効果を少なくするのはもったいないです。
こうした理由から、分配されず運用益全てを再投資した方が賢明な判断と言えます。
販売手数料・信託手数料がやたら高い
毎月分配型投資信託は、購入時にかかる手数料が2%前後と高額なものが多いです。
そして、毎年の信託報酬は1%を超え、中には2%に近いものもあります。
毎月分配のためにコストが高いのだとすれば、
あえて複利を減らしたり、自分のお金を払い戻すだけにわざわざ高いコストを払う意味はありません。
そのため、金融庁も平成27年事務年度の金融レポートの中で、毎月分配型投資信託を「不利な金融商品」として苦言を呈しています。
金の卵を産むニワトリで例えると
普通分配金を卵、特別分配金はニワトリ自身に言い換えることができます。
運用益の卵を得るならまだしも、特別分配金によってニワトリ自身は肥らない
むしろ痩せていく可能性さえあります。
どちらにせよ分配金をもらった分だけ基準価格、ここでいうニワトリの価値は下がることを覚えておきましょう。
そして、わざわざ税金を払って再投資する金額を減らす意味があるかも考える必要があります。
では分配金を得るには、どのような商品がお勧めなのか?
1つの答えは、米国高配当ETF(上場投資信託)です。
以下の記事で、銘柄を含め紹介しているのでご参照ください。
米国高配当ETFのおすすめ銘柄VYM,HDV,SPYD!保有比率は?
本記事の内容は以上です。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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