私は長期インデックス投資を実践しています。
その中で、リスクが変わらずに、より大きなリターンが狙える可能性がある、「ライフサイクル投資術」をを知りました。
きっかけは、【お金に困らない人生を送るライフサイクル投資術】
著者は経済学者のイアン・エアーズ、バリー・ネイルバフ氏です。
加えて、ノーベル経済学賞ロバート・シラー教授激賞の本であることが、この書籍の有用性を裏付けています。
本記事で紹介する、重要なポイントは時間分散とレバレッジです。
レバレッジをかけて投資することを前提とした内容なので、中級者以上の手法と言えるかもしれません。
それでは、ライフサイクル投資術について解説していきます。
ライフサイクル投資術の概要
長期投資の場合、投資額はどの期間も一定にするのが理想です。
しかし、一般的に投資に回せる金額は若者のほうが少なく、年を重ねるほど増える傾向にあります。
その場合、年を重ねて大暴落に見舞われたとしたら、後半の投資額のほうが大きいほど損をする可能性が高いです。
そこで、若い時期にレバレッジをかけることで、このリスクを分散しようという考え方です。
レバレッジとは、指数の値動きの2倍を目標に運用することを指します。
だけど、200%も株式に投資して、本当に大丈夫なの?
この疑問を解決するのが、若者と高齢者の資本に関する捉え方の違いです。
若者と高齢者の資本に関する捉え方
若者の場合、まだ働き始めでお金(金融資本)は少ないですが、働ける時間は多いです。
若者であれば、時間や体力、将来性といった人的資本を沢山持っているんですね。
一方、高齢者の場合は逆のことが言えます。
高齢者のほうが資本を沢山持っていると思いがちですが、それは金融資本に限った話です。
ポイントは次のようになります。
- 若者⇒ 金融資本は少なく、人的資本は多い
- 高齢者⇒ 金融資本は多く、人的資本は少ない
両者とも金融・人的資産を合わせて比べると同程度であると言えます。
そして、この捉え方が、「人的資本の債券性」というワードに繋がります。
人的資本の債券性とは?
若者が働くことで、毎年50万円貯金できていると仮定した場合、
30年間で1500万円を生み出す債券を持っていることと同じであると考えます。
これが人的資本の債券性です。
さらに例として、その若者は貯金500万円を株式に100%投資したとします。
しかし、人的資本の債券性を含めると、
ポートフォリオ:株式500万【25%】+人的資本の債券性1500万【75%】
資産の25%しか株式に投資していないと捉えられます。
よって、若い人は資産運用の序盤にレバレッジをかけても、長期的にはリスクを取っていることにならないという考えに至るのです。
ライフサイクル投資戦略の実践
では、どのタイミングで、ポートフォリオ内のレバレッジ割合を変えていくべきなのか?
この疑問に対する答えとして、ライフサイクル投資戦略における3つの局面をご紹介します。
1~3の局面ごとに、レバレッジの目安としてご覧ください。
- 局面1:30歳まではレバレッジ200%
- 局面2:35歳まではレバレッジ200>100%
- 局面3:30後半からはレバレッジ無し
局面3以降は、40歳頃から徐々に債券比率を高めます。
上記の局面のように、レバレッジをかける割合を年齢で変えていくことで、
良い投資成績が出ていることがシミュレーションにより明らかとなっています。
レバレッジをかけるならETFがおすすめ
レバレッジをかけるってどうすればいいの?
とお考えの方に、おすすめしたいのがETFです。
そして、レバレッジといっても、投資対象は米国株式などの中・長期的に右肩上がりが期待できるものにしましょう。
基本的にレバレッジのきいた商品は、手数料がネックです。
よって、長期保有はあまり好ましくありません。
短期から中期を目安に、保有を検討したいところです。
おすすめETFの代表格は【SPXL】です。
S&P500の3倍!レバレッジETF【SPXL】の利回りとリスク、売り時は?
レバレッジETFの特徴を、別記事でまとめていますので、気になる方は上記をご覧ください。
リスク許容度に合わせた投資戦略を
ドルコスト平均法もよいですが、若者であればタイミング投資を一部交えるのも手です。
リスクはそのままでも、より高いリターンが見込める可能性があります。
しかし、注意点として市場が割高(P/E比27.7)以上である場合は、株式投資をそもそもやめた方がいいことも押さえておきましょう。
加えて、レバレッジをかけても精神的に耐えられる投資額の範囲内で行えるがあります。
リスク許容度を考慮した投資戦略に関しては、以下をご参照ください。
まとめ
本記事のまとめです。
- 若者は人的資本の債券性を踏まえた投資を
- レバレッジをかけるならETFがおすすめ
- 30歳後半からはレバレッジなしへ移行
- リスク許容度に合わせた投資戦略
我が家の場合、30代半ばまでは、多少のレバレッジをかけてもいいかなと思う内容でした。
これに関しては積み立て×レバレッジ(ツミレバ)投資術をおすすめしているファンドもありますが、投資期間は十分に検討する必要がありそうです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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