つみたてNISAでも投資対象に選ばれている「ひふみプラス」
アクティブファンドでありながら、日本国内で人気があり、市場平均を上回っている投資信託です。
そんな魅力的な「ひふみプラス」ですが、実際に保有するべきなのか?
今回は運用方針から将来性まで、まとめて解説します。
それではよろしくお願いします。
ひふみプラスの運用方針
運用方針は、大きく分けて3つです。
- 国内の上場株式を主要な投資対象とし、割安銘柄を選別して長期投資
- 株式の組入比率は状況により変化する
- 運用はファミリーファンド方式を採用
ファミリーファンド方式とは、マザーファンドと複数のベビーファンドから構成される方式です。
実質的な運用はマザーファンドで行い、複数のベビーファンドを合同運用する仕組みです。
ひふみプラスはベビーファンドであり、ひふみ投信マザーファンドを通じて株式や債券に投資することになります。
また、主要な投資対象は国内ですが、海外企業へも一部投資しています。
ファンドの基礎情報
- 純資産総額:7433.65億円
- 組入れ銘柄数292銘柄
資産配分の比率や業種別比率は以下の通りです。
国内株式 | 85.80% |
海外株式 | 7.76% |
海外投資証券 | 1.02% |
現金等 | 5.42% |
合計 | 100.00% |
情報通信やサービス業、電気機器が上位を占めています。
上位組み入れ銘柄(1-10位)
順位 | 銘柄名 | 組入れ比率 |
1 | マイクロソフト | 1.41% |
2 | HOYA | 1.37% |
3 | インターネットイニシアチブ | 1.37% |
4 | SHIFT | 1.36% |
5 | ミライト・ホールディングス | 1.33% |
6 | 三菱商事 | 1.25% |
7 | 村田製作所 | 1.10% |
8 | あい ホールディングス | 1.09% |
9 | ショーボンドホールディングス | 1.08% |
10 | 川崎重工業 | 1.08% |
HOYAはメガネレンズで有名です。
半導体を作る時に必要な部材やハードディスクを作る部材でシェアが高いです。
SHIFTはECサイトや新作ゲーム、会計システムなどのソフトフェアに不具合が無いか確認する業務を委託しています。
あいホールディングスは情報機器やセキュリティ機器、カード発行機器を主力とした企業です。
手数料
「自動けいぞく投資コース」で、収益分配金を再投する場合は申し込み手数料は無料です。
また、純資産総額が一定金額に達すると、一定金額を超えた部分に対して信託報酬が逓減される仕組みとなっています。
- 信託財産の純資産総額500億円まで、年率1.078%(税抜年率0.980%)
- 信託財産の純資産総額500億円を超える部分、年率0.968%(税抜年率0.880%)
ただ、私たちサラリーマンで500億円を超える運用は夢物語です。
よって、多数の方は、年率1.078%が信託報酬として当てはまると思います。
インデックス投資信託では、低水準のコストで0.09%~0.14%の商品もあります。
年率1.078%の信託報酬は、高い手数料と言えますね。
投資リスク
当然ですが、投資元本保証はありません。
アクティブファンドの特徴ともいえますが、市場平均よりも基準価額は大きく変動する可能性が高いです。
また、主要な投資対象は国内ですが、海外への投資も一部行われているので、為替リスクもあります。
流動性リスクやカントリーリスクなどは、他の投資信託と同様です。
ひふみプラスの基準価格と過去の比較
現在の基準価格は53,194円です。
(2021年11月4日時点)
それでは、長期的にどれくらい成長しているのでしょうか?
過去の価格と比較してみましょう。
以下が、ひふみプラスとTOPIXを比較したチャートです。
2012年から現在までのチャートとなります。
ひふみプラスはTOPIXと比較し、およそ2倍近く成長しているのがわかります。
ちなみに、ひふみプラスと同じ運用の「ひふみ投信」は、2008年の設定以来508.21%のリターンです(2021年5月末時点)。
TOPIXはというと、131.38%の上昇にとどまっています。
ひふみプラスの見通しや将来
ひふみプラスのリターンは上述の通りです。
これは運用会社が、よい銘柄に絞って投資できたことが功を奏していると言えます。
銘柄選別はファンドマネージャーによるところが大きいです。
ひふみプラスのファンドマネージャーは同社の社長でもあります。
よって、ファンドマネージャーが変わることは考えにくいです。
今後も的確な銘柄選定が期待されます。
下落対策もされている
現金比率は50%と高めに設定されています。
仮に下落が来た場合、その影響を最大半分まで抑えられることを意味します。
そして、国外企業へも一部投資しているので、カントリーリスクも多少分散されています。
それでも市場全体が下がれば同様に基準価額は下がる傾向にあります。
購入を検討している場合、リスクヘッジをするならば自身でもポートフォリオで調整する必要があります。
注意点もあり
大型銘柄が増えている点が懸念点です。
ひふみプラスは、以前、国内の中小企業が運用の中心でした。
ですが現状、ファンドの人気があがり、資金が集まり大型銘柄の組み入れが増えています。
一般的には、中小企業の成長株式よりも大型株はリターンが劣る傾向にあります。
もしかすると、今後はリターンの伸び悩みが出てくるかもしれません。
ひふみプラスはどのように購入するか?
ひふみプラスは銀行・証券会社を通して購入可能です。
ただし、積み立てNISAでの取り扱いは銀行や証券会社によって異なります。
証券会社の例でいうと、以下の通りとなります。
ただ、積み立てNISAでの運用はおすすめしません。
その理由を事項で紹介します。
積み立てNISAとの相性
海外株式中心のポートフォリオであれば、国内へ分散投資する観点から、「ひふみプラス」はおすすめです。
ですが、積み立てNISAでの運用はおすすめしない理由としてはズバリ、コストです。
長期で運用するほどコストが大きく影響すします。
加えて、運用がファンドマネージャーに委ねられている点も長期運用の不安材料と言えます。
20年以上ファンドマネージャーの藤野英人氏が健在であることが前提です。
- あくまでコア資産はインデックス
- サテライトとしてひふみプラスのようなユニークなアクティブファンド
このスタンスは崩さず、リスク許容度の範囲内で投資をしましょう。
まとめ
- ひふみプラスは、ポートフォリオの一部におすすめ
- あくまでもコアはインデックス投資
以上が本記事のまとめです。
最後に、藤野英人氏の共感できるメッセージを引用し締めくくりたいと思います。
順風も逆風も、共にあゆめる存在になれたら
私の大好きな話に、「桐たんす物語」があります。これまでセミナーでも何度もお伝えしてきていますが、それは自分に言い聞かせている面があるのです。
かつて日本では、女の子が生まれると、庭に「桐の木」を植えたそうです。その子が成人して結婚するときに、その木を使ってタンスをつくり、嫁入り道具にしたと言われています。女の子の成長とともに桐の木も育つわけですが、数日や数年で成人したり成木したりしません。女の子が大人になるまでに、病気やケガをすることもあるでしょうし、反抗期だってあるでしょう。家族や周りの大人たちが愛情を込めて育てることで女の子が成人するように、桐の木も手をかけ続けないと立派に育ちませんし、途中で切ってしまったりしたら、元も子もありません。
人生も同じではないでしょうか。長い人生では、すべて簡単にうまくいく、ということはありません。夫婦だって離婚するかもしれないし、病気になって死別するかもしれない。自分と同じように、他の人も人生もそうです。みんな何かしら、欠損を抱えたり、逆境を乗り越えたりしながら、新しいステージに進んでいきます。
ひふみの旅路にも、順風、逆風、どちらもあります。思いがけない嵐に見舞われることもあるでしょう。そんなとき、共にあゆんで乗り越えてこそ、未来に行ける。ひふみを通じて、この長い旅のイメージをお客様と共有できたらと思っています。
ひふみ投信 ファンドマネージャーメッセージより
長期投資には欠かせないマインドですね。
暴落時こそ寄り添い、信じて託す。
私自身も、ブログをご覧頂いている皆さんと、お金に縛られない豊かな生活を一緒に目指したいです。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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