ETFとはExchange Traded Fundsの略で、証券取引所で取引される投資信託を言います。
この言葉だけではETFを理解するのは難しいです。
投資信託の中でも上場していればETF、上場していなければ投資信託と解釈するのがわかりやすいです。
ETFは株式と投資信託の両方のいいところを持った金融商品です。
本記事の内容は初心者向けの内容です。
もうすでに理解されている方は温かい目で記事を読んでいただければ幸いです。
ETFはどのように運用されているか?
一般的には日経平均やS&P500などの株価指数と連動するように運用されています。
株価指数は複数の銘柄によって構成された指標となっています。
つまり、一つのETFに投資するだけで、その連動した複数の銘柄に投資することになるのです。
例えば、米国株ETFの代表格であるVTIを例に挙げます。
VTIは米国3500企業の株価指数に連動しているので、VTIに投資するだけで、米国企業全体の株式に分散投資しているのとほぼ同じことが言えるのです。
また、信託報酬については通常の投資信託よりもさらに安いものもあり、コスト的にお得です。
なかには年率0.05%前後のETFもあります。
ちなみに、一部のETFの取引手数料をSBI証券や楽天証券などでは無料化しています。
ETFのメリット
リアルタイムで売買可能
上場株式同様で、リアルタイムの取引が可能です。
一日の中で値動きがあるので、相場をみながら売買のタイミングを計ることができます。
タイミングを計る際には、VIX指数などを参考にすると良いです。
指値取引、信用取引も可能
また、指値取引と信用取引も可能です。
指値取引とは、この値段で売買したいという金額をあらかじめ決めておき、その金額に達したら自動的取引する仕組みです。
信用取引は、証拠金を担保にその金額以上の取引をする売買の方法です。
一部で自動積立も可能
当初は、定額での自動積立投資ができませんでしたが、現在は自動積立可能な証券会社が増えてきました。
SBI証券はその代表例です。
証券会社によっては、株式を毎月一定額で積み立てる「株式累投投資」という購入方法が適応されたETFを取り扱っている場合もあります。
しかし、自身で定期的にポートフォリオの見直しや、購入のタイミングを計る場合には手動積立が無難です。
ETFのデメリット
自動再投資ができない
普通の投資信託であれば、分配金の受け取り方法で自動再投資を設定可能です。
しかし、ETFでは不可能です。
再投資したい場合は、自身で行う必要があります。
繰り上げ償還リスクあり
ETFの信託期間は設定時には無期限とされています。
しかし、解約が増えるなどで純資産総額が小さくなると、効率的な運用ができなくなります。
これにより、長期運用のつもりが予定外のタイミングで繰り上げ償還という運用停止を受けます。
そして課税された上で換金されるのです。
日本のETFでは繰り上げ償還になるケースが多いようで、ETFだから良いとは限らないことに注意が必要です。
ETFの種類は?
株価指数に連動するもの以外にもさまざまな商品があります。
例を挙げると、
- REIT(不動産の値動きに連動)
- コモディティ(金や原油などの値動きに連動)
- 新興国(中国・インドを代表する企業の値動きに連動)
などがあり、テーマや採用される株価指数から幅広く選択が可能です。
投資信託とETFの違いまとめ
大きく分けて違いがあるのはコストと取引方法です。
コスト比較
まずはコストから違いをまとめて比較してみます。
下記の表をご参照ください。
投資信託 | ETF | |
購入時手数料 | 0円(ノーロード) | 一部銘柄は0円 |
信託報酬 | 低いファンドも増えている | 投資信託よりも低コスト |
売却時の手数料 | 0円の場合が多い | 手数料がかかる |
為替手数料 | 為替手数料はかからない | 為替手数料がかかる |
コストをみると、投資信託にやや分があるように見えます。
しかし、投資信託には隠れコストが存在します。
よって、コストに関しては、低コストのファンドを選ぶことで、さほど差が無いのではないでしょうか。
取引方法
取引方法による違いは以下の通りです。
投資信託 | ETF | |
売買タイミング | 1日1回の価格で売買 | リアルタイムで売買 |
注文方法 | 翌日に基準価格がわかる | 指値・成り行き可能 |
自動積立 | 可能 | 一部で可能(SBI証券) |
分配金再投資 | 可能 | 不可能 |
分配金の外国税額控除 | 不要 | 自ら申請する必要あり |
このように比較してみると、ETFは少し手間がかかることが分かります。
対して投資信託は、面倒なことが省かれているので、まさに初心者向けと言えます。
投資信託とETFをどう使い分けるか?
以前はETFが優位だったのですが、投資信託の低コスト化により、投資信託も十分魅力的な投資先になりました。
コストや取引方法による違いは説明した通りですが、長期的な資産運用でどのように使い分けるかを紹介します。
まず投資信託は、自動積立機能を使い、定額で定期間積み立て続けることです。
そして、ETFは押し目で一括購入して、長期で保有しておくとい戦略をとることをおすすめします。
言い換えれば、ETFはタイミング投資です。
そしてETFは分配金が出ても、自身で再投資すれば問題ありません。
投資目的で言えば、
老後資金などの資産を増やしたい場合は投資信託
資産を増やしつつ、現在の生活も充実させたい(キャッシュを得たい)場合はETF
このように考えていくのも良いでしょう。
合わせて、こちらの記事もご参照ください。
インデックス投資家だった私が、高配当ETF投資をはじめた理由
ETFで構成したいおすすめポートフォリオの作り方!ローテーション戦略を取り入れよう
最後に
1つのETFを購入するだけで、複数の銘柄を保持することになります。
しかし、それだけでは本当の意味での分散投資とは言えません。
異なるテーマのETFをそれぞれ購入し、ポートフォリオの比率を調整することでより分散された資産運用が可能となります。
どのETFをどのくらいの割合で保持するかは、リスク許容度と相談です。
リスク許容度とポートフォリオについては、以下をご参照ください。
リスク許容度に合わせたコア・サテライト戦略!おすすめしたいETFとその割合は?
いずれにせよ、投資初心者にとっては個別株をいきなり購入するよりは、ETFを愚直に買い増し続けることが理にかなっています。
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