バリュー株ETFへ投資するなら、VTV、SPYVどちらがおすすめ?

資産運用

上場投資信託(ETF)には国の違いやテーマに沿って、様々な商品があります。

そのなかでも、今回は米国の割安株にまるっと投資できる、バリュー株ETFについて紹介します。

バリュー株ETFで代表的なものは、

  • VTV
  • SPYV

この2つのETFとなります。

そもそもバリュー株とはどのような特徴があるのでしょうか?

本記事では、それぞれの概要やどのような特徴があるのかをお伝えしていきます。

ふに
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そして、最後にどちらがおすすめなのかにも言及していきます。

割安(バリュー)株とはどのような状態?

企業の財務状況(利益水準、自己資本、売上)から割安と判断されている株のことです。

中長期的には適正株価に近づいていくと考えられるため、長期投資においては株価上昇が期待できます。

しかし、グロース(成長)株と比較し、高成長によるパフォーマンスは期待できません。

また、下落局面でも比較的底堅いことが知られています。

ただし、リーマンショックやコロナショックなどの大暴落では、その限りではありません。

バリュー株ETFを保有するメリット

割安な銘柄にセクターごとに分散された投資が可能になります。

つまり言い換えるなら、自身で銘柄分析をする手間が省けるということです。

そして定期的に、ファンドによる組み替えが行われるのが利点です。

次に、VTVとSPYDそれぞれの概要について、見ていきましょう。

VTVの概要

バンガード・バリューETF

バンガード社が運用しています。

CRSP US ラージキャップ・バリュー・インデックスに連動する投資成果を目指します。

351銘柄で構成されています。

米国の大 型株を保有し、総資産を指数構成銘柄に投資し、完全複製戦略に従います。

経費率0.04%で純資産総額は約9兆3,460億円となります。

SPYVの概要

SPDRポートフォリオS&P500指数バリュー株式ETF

ステートストリート社が運用しています。

S&P500指数を構成する銘柄の中で、市場全体と比較し割安と判断された銘柄へ分散投資されます。

構成銘柄は433銘柄です。

経費率はVTVと同じく0.04%です。

純資産総額は、約1兆3,620億円とVTVよりは劣ります。

上位構成銘柄

VTV上位銘柄SPYV上位銘柄
バークシャー・ハサウェイ2.98 バークシャー・ハサウェイ 2.99
JPモルガン2.83 JPモルガン 2.79
J&J2.67ウォルト・ディズニー1.86
ユナイテッド・ヘルス2.30 バンク・オブ・アメリカ 1.79
P&G2.04 J&J 1.51
バンク・オブ・アメリカ1.88 ファイザー 1.44
コムキャスト1.63 エクソンモービル 1.40
ファイザー1.51シスコシステムズ1.39
エクソンモービル1.35ベライゾンコミュニケーションズ1.31
アボットラボラトリーズ1.31インテル1.27

上位10銘柄中、5銘柄が同じという状態です。

それでは、セクター比率に関してはどうでしょうか?

セクター比率

そして、セクター比率に関しても、上位3つは同じです。

VTVセクター比率SPYVセクター比率
金融21.3 金融 21.4
ヘルスケア19.1 ヘルスケア 14.9
資本財・サービス13.9 資本財・サービス 11.8
生活必需品10.2 情報技術 11.1
一般消費財・サービス6.4 生活必需品 8.9
情報技術6.3 一般消費財・サービス 7.6
通信サービス6.2 通信サービス 6.3
公共事業6.0 エネルギー 5.4
エネルギー5.1 公共事業 4.9
不動産3.1 不動産 4.3
素材2.4 素材 3.6

上位3つのセクターは順位が同じです。

横並びにしてみると、以下の特徴があります。

  • 金融セクター比率がVTV・SPYVともに高い
  • VTVは情報技術セクター比率が低め
  • SPYVはヘルスケアセクターの比率が低め
  • それ以外はほとんど大差ない

どちらのパフォーマンスが優れているか?

では、どちらのパフォーマンスが優れているでしょうか?

トータルリターンや配当利回りから見ていきます。

トータルリターン

5年トータルリターンは以下の通りです。

VTV:13.01%

SPYV:12.83%

以下のチャートを見ても、VTVに軍配が上がります。

(チャート青色:VTV、オレンジ:SPYV)

ちなみに、2021年9月24日時点の株価は、VTVが138.62USD、SPYVが39.80USDです。

trading viewより出典

配当利回り

直近の配当利回りは以下のようになります。

  • VTV:2.09%
  • SPYV:1.99%

こちらも、僅かの差ですが、VTVが現時点では上回っています。

結局どちらがおすすめか

こちらは、配当調整後のチャートです。

trading viewより出典

純資産総額やパフォーマンスをみると、

結果としては、VTVのほうがおすすめと言えそうです。

高配当ETFとの比較

株価が割安なため配当利回りが高くなりやすいバリュー株ETF。

実は、高配当ETFとも多くの銘柄が共通しています。

そこで比較したいのがVYMとVTV

配当調整後のチャートは以下の通りです。

(青色:VTV、オレンジ:VYM)

VYMの直近の配当利回りについては、2.50%ほどです。

配当金目的であれば、やはりVYMは頼もしい存在と言えるのではないでしょうか。

ハイテクよりで投資をしているのであれば、セクターローテーションに備えるためにも、VYMやVTVと言ったETFの保有も一考ですね。

まとめ

本記事のまとめは以下の通りです。

  • VTVとSPYVの比較では、VTVに軍配があがる
  • VTVと高配当ETF【VYM】は目的に合わせて選択
  • VYMをすでに保有している場合は、VTVではリスクヘッジにはならない
  • ハイテク株ETFを保有しているなら、戦略に応じてバリュー株ETFは有用

低コストでパフォーマンスの良いVTVは、今後バリュー株投資を検討されている方へおすすめできる商品です。

グロース株とバリュー株は反する値動きをすることが多いです。

よって、分散投資として保有する意味でも、ハイテク株などのグロース株ETFとバリュー株を組み合わせて保有したいですね。

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