「株式のような値動きが怖い」
「安定した配当を得たい」
「債券へ投資したいけど、何を選べばいいのか?」
そんな方々に、おすすめしたいのが米国債券ETFです。
代表的な米国債券ETFは、BNDとAGGです。
米国債券ETFはディフェンシブな資産として知られていますが、どのような特徴があるのでしょうか。
今回は、米国債券ETFの特徴と魅力をお伝えします。
加えて、BNDとAGGを比較し、解説していきますね。
米国債券ETFとは
そもそも債券とは、国や企業などが、投資家からお金を借りる際に発行する信用証書のようなものです。
発行されている債券は以下の通りです。
- 国が発行する国債
- 地方公共団体が発行する地方債
- 一般企業が発行する社債
- 金融機関が発行する金融債
米国債券ETFとは、米国の企業や国自体が発行する債券を寄せ集めた商品になります。
魅力は安定感とインカムゲイン
米国債券ETFの魅力は何といっても、値動きの少なさと安定した配当です。
値動きが少ないことで、市場が好調である場合は、その恩恵を得られません。
しかし、リーマンショックやコロナショックなどの大暴落の際にも、同様のことが言えますので、ディフェンシブな資産として重宝されます。
インカムゲインがおおよそ2%程度は期待できますが、キャピタルゲインは期待できません。
BNDとAGGの紹介
米国債券ETFの代表格として知られているのは、BNDとAGGです。
それぞれのETFについて説明します。
BND
バンガード・米国トータル債券市場ETF
設定日は2007年4月です。
バンガード社が組成する信託報酬(手数料)0.05%の債券ETFです。
米国の投資適格債券全体に、幅広く分散されたETFです。
AGG
iシェアーズ・コア米国総合債券ETF
設定日は2003年9月です。
ブラックロック社が組成する信託報酬(手数料)0.06%の債券ETFです。
BNDと同じく、米国の投資適格債券全体に投資できるETFです。
BNDとAGGの比較
それではもう少し詳しく、両者を比較してみましょう。
組み入れ銘柄数
- BND :およそ9,000銘柄
- AGG :およそ7,600銘柄
銘柄数としては、どちらも数が多いです。
違いはとしては、BNDがAGGを上回っています。
信用格付け
両ETFがどのような格付け債券を組入れているかは、以下をご参照ください。
信用格付け | AGG | BND |
キャッシュ | 0.73% | - |
AAA | 72.4% | 69.4% |
AA | 2.8% | 3.5% |
A | 9.9% | 12.4% |
BBB | 14.2 % | 14.7% |
債券の信用格付け割合は、AGG・BNDで大きな差はありません。
信用格付け最上位のトリプルエー(AAA)が両ETFともにおよそ7割を占めています。
強いて言えば、AGGはキャッシュが含まれており、信用格付けもやや高めです。
そういった意味では、AGGのほうがよりディフェンシブと言えます。
しかし、どちらもより低リスクとされる債券に投資されていることがわかります。
業種(発行体)
両ETFの債権比率は以下の通りです。
発行体 | AGG | BND |
財務省 | 39.2% | 40.8% |
モーゲージ・パススルー証券 | 27.7% | 21.1% |
資本財・サービス | 15.0% | 17.1% |
金融機関 | 7.9% | 8.9% |
政府機関 | 2.5% | 5.6% |
商業用不動産担保証券 | 2.0% | 1.8% |
公益事業 | 1.7% | 2.0% |
国際機関 | 1.4% | 1.8% |
発行体の業種についても上表・以下の通り大きな違いはありません。
こうしてみると、両者にはほとんど違いが無いようですね。
そうですね。
ここまでくると、もはや好みの問題とも言えます。
利回りとトータルリターン
AGGとBNDの利回り
- BND:2.6%
- AGG:2.8%
AGGとBNDのリターン
年率(%) | AGG | BND |
1年 | -0.05% | -0.04% |
3年 | 2.00% | 2.04% |
5年 | 2.49% | 2.47% |
10年 | 3.30% | 3.42% |
設定来 | 3.75% | 3.81% |
上述した数値は年率ですが、累積リターンでいうと10年で約40%です。
AGGもBNDも確かに地味な値動きです。
ですが、値動きが非常にマイルドだからこそ、手堅いインカムが欲しい方には魅力的な商品と言えます。
米国債券ETFのリスク
債券の値動きは非常にマイルドで安定感がある反面、注意点もあります。
それは、金利上昇局面において、既存の債券価値は相対的に下がりやすいということです。
金利上昇局面とは、言い換えれば好景気である時期です。
好景気でなぜ金利が上昇するかというと、単純に世の中のお金の需要が高まるため、バブルにならないように金利を上昇させオーバーヒートを抑制しようと働きかけるためです。
ですが逆に、景気後退の場面では、金利が下がりやすいので債券価格には上昇の力が働きます。
よって、債券は不景気に強い資産と言えるのです。
債券価格が金利により上下しても、米国債券ETFであれば、毎月の分配金が発生するのは魅力です。
どちらがおすすめか?
BNDとAGG
どちらも魅力的なETFですが、強いて言えばBNDをおすすめしたいです。
理由は、BNDのほうが利回りが上回っていることと、維持費の安さです。
信用格付けに関しては、ほとんど差はありませんが、わずかにBNDが低い格付けA割合が多いです。
ですが、これに関してはETFの強みを生かせると考えます。
加えて、銘柄数の観点でも分散が効いているため、かろうじてBNDに軍配が上がります。
米国債券ETFの保有割合は?
では、米国債券ETFの保有割合については、どのように考えていけばよいでしょうか?
基本的には、年齢を重ねるにつれて債券の割合を増やすのが理想です。
もう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
また、債券以外の組み合わせも考えたいポートフォリオに関しては、
【ETFで構成したいおすすめポートフォリオの作り方!ローテーション戦略を取り入れよう】で解説しています。
資産運用時期やリスク許容度に合わせた保有割合を押さえておきましょう。
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まとめ
本記事のまとめは以下の通りです。
- 代表的な米国債券ETFはBNDとAGG
- 米国債券ETFは、ディフェンシブな資産
- 金利上昇局面では資産の価値が下がるリスクあり
- 保有割合が年齢に合わせて増やすべき
- 個人的には、強いて言うならBNDの保有がおすすめ
インカムゲインに加え、より多くのキャピタルゲインも求める方には、
こちらの記事をご参照ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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