本記事は、NASDAQ100指数に投資するなら、投資信託かそれともETFを選ぶべきなのかご紹介します。
NASDAQ100指数に連動する商品は数多くあり、どれを選ぶか悩まれると思います。
投資信託と上場投資信託(ETF)は似て非なるものです。
今回は、それぞれ代表的な商品を取り上げ、どれくらいのリターンやコスト、リスクになっているかをまずはご説明します。
そして、投資信託とETFを比較し最終的に選ぶべき商品をお伝えします。
それでは、よろしくお願いします。
NASDAQ100指数とは?
NASDAQ100指数の概要
NASDAQ100指数とは、米国のナスダック市場に上場している時価総額でトップ100の非金融銘柄で構成されています。
指数の変更は年に一度です。(定期的な銘柄入替は毎年12月に行われます)
指数に採用される際には、時価総額、流動性、業種等の規制は特にありません。
そして、1985年から指数は計算され今日に至ります。
NASDAQ総合指数はよく耳にすると思いますが、NASDAQ100指数とNASDAQ総合指数は異なる指数です。
NASDAQ100指数とNASDAQ総合指数の違い
総合指数と100指数には、それぞれ以下のような違いがあります。
- NASDAQ総合指数:米国のナスダック市場に上場している全約3,000銘柄が対象
- NASDAQ100指数:ナスダック市場上場企業のうち、時価総額上位の約100銘柄(金融業を除く)
NASDAQ100指数とは、上位の選ばれし企業たちで構成されています。
では、NASDAQ100指数の上位構成銘柄やセクター比率はどうなっているのでしょうか?
次項で確認していきます。
上位構成銘柄
現時点での上位構成銘柄は以下の通りです。
10位までを取り上げていますので、ご参照ください。
- Apple(AAPL)
- マイクロソフト(MSFT)
- Alphabet クラスC(GOOG)
- Alphabet クラスA(GOOGL)
- Amazon.com(AMZN)
- メタ・プラットフォームズ クラスA(FB)
- テスラ(TSLA)
- NVIDIA(NVDA)
- ASMLホールディング 米国預託(ASML)
- ブロードコム(AVGO)
「メタ・プラットフォームズ」は、元Facebookです。
こうしてみると、改めて世界的に活躍する情報通信・IT企業が上位を占めていることが分かります。
セクター比率
次に、NASDAQ100指数のセクター比率です。
水色のグラフがNASDAQ100指数を構成するセクターとなります。
ご覧いただいている通り、テクノロジーが半数以上を占めています。
そしてその他に、一般消費財やヘルスケアといったセクターが入っています。
S&P500と比較しても、かなり偏りがあることが分かります。
ETF・投資信託の特徴
ETFと投資信託の特徴は次の通りです。
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
上場・非上場 | 上場 | 非上場 |
取引可能時間 | 金融商品取引所の取引時間 | 原則15時までに申込み |
取引価格 | 市場での時価 | 1日1回算出される 基準価額 |
注文方法 | 成行・指値注文が可能 | 基準価額が分からない状況で購入・換金の申込み |
コスト:購入時 | 売買手数料 (証券会社によって異なる) | 申込手数料 (ファンドや販売会社ごとに異なる) |
コスト:保有時 | 信託報酬 (投資信託より低め) | 信託報酬 (ETFより高め) |
コスト:売却時 | 売買手数料 (証券会社によって異なる) | 信託財産留保額など (ファンドや販売会社ごとに異なる) |
配当・分配金 | 分配金 | 分配金 (運用方針で分配金が出ないものもある) |
コスト面に関して、購入時手数料や売却時手数料は無料であることがほとんどです。
参考にすべきは信託報酬、つまり保有中のコストです。
信託報酬に関しては比較することではじめてお得かどうかわかります。
長期資産運用には大きくかかわってきますので、できるだけ低コスト商品を選びましょう。
投資信託のメリットとは?
投資信託のメリットは以下の4つです。
- 原則100円から購入可能
- 積立設定による運用が可能(※毎日・月1回の頻度から選択)
- 少額から投資ができるので投資初心者でも購入しやすい
- 米国の株式が投資対象でも「日本円」で購入できる
ETFのメリットとは?
ETFのメリットとしては以下が挙げられます。
- 市場を見ながらリアルタイムで売買できる
- 信託報酬率が投資信託よりも低い
- 米国籍ETFであれば、ドルとして資産分散可能
両者のメリットを鑑みると、初心者にとっつきやすいのは投資信託です。
それでは、投資信託とETFそれぞれの代表的な商品を見ていきましょう。
代表的な投資信託
投資信託で有力な商品は次の通りです。
- iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス
- eMAXIS NASDAQ100インデックス
- NZAM・ベータ NASDAQ100
- PayPay投信 NASDAQ100インデックス
その中でも、代表的と言えるのが、 iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス です。
理由としてはパフォーマンスや純資産総額の観点からです。
正直に言うと、コストはどれもほぼ差はありません。
それでは iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス を代表的な投資信託として紹介します。
パフォーマンス・リターン
2021年12月時点でのトータルリターンはどうでしょうか?
- 1年トータルリターン:+42.79%
- 3年トータルリターン:+39.65%
GAFAMやテスラを始めとする、米国大企業が牽引し高パフォーマンスとなっています。
コスト
購入時手数料はかかりません。
また、売却の際もコストはかかりません。
かかるのは保有中のコストである信託報酬です。
信託報酬は、純資産総額に対して0.495%かかります。
コストとしては、ぎりぎり許容できる範囲内です。
純資産総額
現時点での純資産総額は、487.29億円です。
100億円以上が目安であるため、基準は満たされています。
他の投資信託もそこまで純資産総額は多くはありません。
シャープレシオ
シャープレシオは1年、3年を確認してみます。
- 1年:3.49
- 3年:2.25
リスクに対するリターンが十分かを判断するシャープレシオですが、この数年では申し分ない数字となっています。
代表的なETF
一方、ETFではどのような商品があるでしょうか?
こちらも、東証と米国籍合わせて複数のETFをご紹介します。
NASDAQ100指数に連動するETFの銘柄は以下の通りです。
- NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信(1545)
- 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし(2568)
- 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジあり(2569)
- MAXISナスダック100上場投信(2631)
- MAXISナスダック100上場投信(為替ヘッジあり)(2632)
- インベスコ QQQトラスト・シリーズ1 (QQQ)
東証ETFと米国籍ETFの違い
東証ETFと米国籍ETFの違いは、上場している市場が日本かアメリカかという違いだけです。
そして、東証ETFのほうが、米国籍ETFよりもコストが高い傾向です。
米国籍ETFでは為替リスクもありますが、資産の分散という意味でおすすめしたいのは米国籍ETFです。
そこで、ETFの代表としてQQQをご紹介します。
パフォーマンス・リターン
QQQのトータルリターンは以下の通りです。
- 1年トータルリターン:+23.15%
- 3年トータルリターン:34.91%
また、直近配当利回りは、0.51%となっています。
コスト
QQQは経費率0.20%です。
投資信託と比べるとコストは段違いです、
コストは長期の資産形成において大きく響きます。
QQQのように、できるだけ低コストの商品を選びたいですね。
純資産総額
2090.63億ドルです。
純資産総額も申し分ないです。
シャープレシオ
過去1年のシャープレシオは0.5457です。
1.0以上が普通の目安ですが、それを下回っています。
つまり、リスクに見合ったリターンは得られにくくなっていることを示します。
初心者は投資信託、中級者はETF!
初心者には投資信託を推しましたが、個人的におすすめしたいのはETFです。
それでは、なぜETFがおすすめなのでしょうか。
以下に理由をまとめました。
初心者は投資信託のほうがいい理由
ETFの魅力の一つに、株式と同じように売買できることがあげられます。
そのため、株式投資に慣れている方であれば、ETFの方がなじみやすいかもしれません。
しかし、株式と同様に取引毎に売買手数料がかかります。
さらに単元(ETFの多くは1口単位で売買)での購入になるため、金額指定の買付をすることができません。
投資信託であれば、簡単な設定で、定期・定額の買付が可能です。
中級者はETFをおすすめする理由
一方、ETFの魅力はなんといっても低コストであることです。
中級者であれば、投資資金も増えつつあると思うので、購入時の1口単位の売買ではそこまで苦になりません。
また、購入時にかかるコストも証券会社によっては無料のものがありますので、欲しい商品があてはまっているなら、断然ETFを選ぶべきです。
米国籍ETFでマイポートフォリオ作成しつつ管理することも可能です。
まとめ
投資信託かETFどちらがおすすめか?
結果的には購入のしやすさから初心者には投資信託を、ある程度資産が増えてさらに投資可能な中級者向けにETFをおすすめしたいです。
ETFは売買時に手数料がかかりますが、証券会社によっては手数料無料のETFも存在します。
そういったETFから、自分の考えに合ったものを選んでみてください。
本記事の内容は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
なお、投資は自己責任でお願いします。
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