eMAXIS Neoシリーズは買いか?メリットとデメリットを解説

資産運用

eMAXIS Neoシリーズとは

eMAXIS Neoシリーズは、三菱UFJ国際投信が運用するAI(人工知能)を活用した投資信託です。

特徴は、何といってもAIに銘柄選定をすべて任せるファンドということです。

今までも、運用の一部をAIに任せる投資信託は存在していました。

しかし、すべてをAIに任せるのはeMAXIS Neoシリーズのみとなっています。

また、自動運転やロボットなど、テーマごとに投資先が分かれています。

例えば、eMAXIS Neo自動運転シリーズでは、自動運転に関わる企業に集中して投資をすることになります。

手数料はどの程度か?

eMAXIS Neoは、購入時手数料と信託財産留保額(解約するときの手数料)がかかりません。

信託報酬は、純資産総額に対して年率 0.792%です。

信託報酬(保有しているときの手数料)のコストは、他の商品と比較して少し高く感じてしまいます。

参考までに、eMAXIS Slim 全世界(オールカントリー)では、信託報酬が年率0.1144%となっています。

連動する指数は?

eMAXIS Neoは、米国Kenshoテクノロジーズ社の開発した指数に連動を目指すインデックスファンドです。
指数を開発したKenshoテクロノジーズはS&P500指数などで知られるS&Pグローバル社の100%子会社です。

テーマ型ファンドは特定の業種に大きく偏っているので、相場の下落局面では注意が必要です。

テーマ一覧

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以下に、テーマ一覧を掲示します。

  • eMAXIS Neo 自動運転
    …自動運転車を製造・開発する企業や歩行者を認知するセンサー企業
  • eMAXIS Neo ウェアラブル
    …スマートウォッチやスマートグラス、装着可能(ウェアラブル)機器の企業
  • eMAXIS Neo フィンテック
    …クラウドファンディング、デジタル通貨、革新的な金融サービスを提供する企業
  • eMAXIS Neo ナノテクノロジー
    …ナノテクノロジー(10億分の1メートルサイズの技術)を活用する企業
  • eMAXIS Neo バーチャルリアリティ
    …VRやAR技術やそこで使われる半導体などを提供する企業
  • eMAXIS Neo ドローン
    …ドローン技術を提供する企業
  • eMAXIS Neo 宇宙開発
    …ロケットや衛星、通信システムを提供する企業
  • eMAXIS Neo ロボット
    …工場用や手術用ロボットを提供する企業
  • eMAXIS Neo 遺伝子工学
    …バイオ医薬品やゲノム編集技術などを研究する企業

eMAXIS Neoシリーズに投資するメリット

eMAXIS Neoシリーズで資産運用するメリットを3つ挙げます。

成長性があるテーマに、ピンポイントで投資できる

各テーマの市場規模は、今後も成長することが見込まれています。

ただし、三菱UFJ国際投信によるデータでは、テーマ毎に市場規模成長率予想は大きく異なります。

バーチャルリアリティの場合は、2020年~2024年にかけて年率56.9%と予想されています。

対して宇宙開発は、2018年~2040年にかけて年率5.1%の予想となっています。

成長性で選ぶと言っても、期間や市場規模を考慮してテーマを考慮する必要がありますね。

予想される数字の背景についても、知っておく必要があります。

私自身が気になっている、自動運動とバーチャルリアリティを例に挙げます。

自動運転分野の成長可能性

実用化への期待が高まる自動運転技術を持つ企業に投資可能です。

2020年、日本では高速道路などの条件下で、ハンドルやブレーキの操作をシステムに任せられる自動運転機能(レベル3)実用化の発表がありました。

そして近年、中国での国をあげた自動運転車開発が話題になっています。

中国政府は2025年までに新車販売台数の50%を条件付き自動運転車とする目標を発表しました。

これまでは欧米がリードする形で進み、2019年には自動運転技術での米国フォード社とドイツフォルクスワーゲン社の業務提携が注目されていました。

今後2040年には、中国における自動運転車の販売台数が米国の約2倍まで達すると試算されています。

世界最大のマーケットである、中国市場をめぐる企業間の覇権争いが予想されています。

バーチャルリアリティ分野の成長可能性

バーチャルリアリティ(VR)は仮想現実を体験する技術です。

近年、VRを体験できるゲーム等で製品化が進んでいます。

その他に、博物館でVR体験するイベントが開催されるなど技術の活用幅が広がっています。

また、現実世界を遮断して仮想世界のみを描くVRだけではなく、現実世界と仮想現実を重ね合わせたAR(拡張現実)、MR(複合現実)の技術も注目されています。

一方で、既存の機器においては、仮想現実を描写するグラフィック性能や演算処理速度の不足で“VR酔い”が生じるケースも多く、仮想現実を現実世界と同等に扱う段階まで至っていません。

近年ではこの課題を解決するため、多くの企業が研究・開発に取り組んでいます。

一例として、2019年には米国大手半導体メーカーであるエヌビディアがXRプラットフォームとして「NVIDIA CloudXR」を開発し、現実世界に限りなく近い仮想現実の実用化を目指しています。

また、一部の企業や研究機関では、存在しない人物を存在しているかのように錯覚させる技術(SR、代替現実)の研究等も行われるなど、VR関連市場は今後も成長が見込まれます。

AIによる機械的な運用

。 S&P Kenshoニュー・エコノミー指数では、“AI”が企業の開示資料等を読み込み、各テーマに関連するキーワードの出現頻度等を元に分類を行っています。“AI”は、ルールに従った大量の演算によって規則性を見つけることを得意とします。人間が陥りがちな思い込みを避け、網羅的な分析をすることによって、新たな投資機会獲得に繋がると考えます。

三菱UFJ国際投信より引用

「AIによる機械的な運用」

まさにインデックス投資にぴったりです。

全てがAIによる運用については、歴史が浅いので長期的な過去のデータは気になるところです。

しかし、その仕組みにより、常に値動きを気にするストレスから解放されます。

また、初心者にも敷居の低さと安心をもたらすものとなるでしょう。

直近1年のリターンは大きい

直近のリターンは、かなりの勢いで右肩上がりのテーマが多いです。

上位3テーマのリターンは以下の通りです。

  • 自動運転:126.5%
  • バーチャルリアリティ:116.7%
  • ナノテクノロジー:112.1%

もちろん、ほとんどリターンが得られないテーマもあります。

ちなみに、宇宙開発は直近1年のリターンが0.1%でした。

eMAXIS Neoシリーズに投資するデメリット

手数料がやや割高

前述した通り、信託報酬は純資産総額に対して年率 0.792%です。

eMAXIS slimシリーズでは0.1%前後の商品もある中では、やはり割高と感じてしまいます。

ただ、ロボアドバイザーはAIの運用として手数料が0.1%とかかります。

そのため、ロボアドバイザーと比較すると、手数料としてはいくらかましかもしれません。

(同じAIといっても、資産クラスまで調整してくれるロボアドバイザーとは特徴が異なりますが…)

ハイリターンだがハイリスク

当然ですが、セクターはかなり偏りがあります。

ピンポイントのテーマに投資できる反面、分散は効きません。

よって、今がトレンドな業界・業種でも、何かのきっかけで暴落した場合は、その分損失がはかり知れません。

過去のITバブル崩壊が良い例です。

そういった意味で、長期投資前提での保有には不向きかもしれません。

証券会社の取り扱いが少ない

eMAXIS Neoの取扱販売会社は、現在16社です。

取扱販売会社の数は少しずつ増えています。

しかし、他の投資信託と比較すると取り扱いは少ない印象です。

販売会社によっては、取り扱わないファンドもあるので注意です。

結論(個人的見解)

デメリットを踏まえ、個人的には短期的に保有する前提で購入するのはありかなと考えます。

ただし、それぞれのテーマごとに算出されている予想年率や期間を踏まえたうえで、保有するのが望ましいです。

(例えば、自動運転に対しては、2025年までを目安にするなど)

そして、資産の分散を考えると、eMAXIS Neoへの投資割合は控えめにしたいです。

ちなみに、長期でインデックスと高配当株式投資をしている私は、手数料の高さからも、今後購入予定はありません。

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おわりに

eMAXIS Neoシリーズは、テーマとしてとてもユニークだとは思います。

ですが、コスト面や集中投資の側面がある以上、やはり長期運用目的での保有はお勧めしにくいです。

また、成長性については、現時点でもテーマごとにリターンの違いが大きいです。

この商品に投資するのであれば、テーマはある程度絞ったほうがよさそうです。

本記事の内容は以上です。

最後に、あくまでもこの記事は個人的な意見です。

投資は自己責任でお願いします。

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